忍者ブログ
二次創作小説・主にカカイル
[24] [23] [22] [21] [20] [19] [18] [17] [16] [15] [14]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

カカシ×イルカ(♂/♂)
全7回。
暴走気味なカカシのらぶこめ。


+ + + + + + + + + +
 世界が美しく輝いていると見えた。
 暁光はそぞろな甘い期待に満ちて、月下の褥に優しい夢を育む、まるで綺麗なお花畑に遊び暮らすような、日々の幸福に酔う。

 はたけカカシは恋をしていた。

 人生で三度目くらいの、かなり本気の恋だ。
 肉体の欲求を伴った恋、という意味では初めての事態かもしれない。カカシの女性経験のみを云えば、それなりに充実したものであったけれども、まともな恋愛感情は思春期で停止して以来、二十代半ばを越える現在まで機能していなかったのだから。
 枯れ朽ちていると思われた花畑に、ようやく訪れた春。
 目が眩んだ。
 遅い春を招いたひとは優しく、朗らかで、つれない男。
 アカデミーに所属する中忍。
 イルカ先生、と呼ばれている。
 出会いのきっかけは火影の采配によるものであったが、その後の展開をカカシはまったく覚えていない。イルカの笑顔が好もしいと気づいた時には、お花畑の中にいた。
 同性であることが抑制にならなかったほど、カカシには魅力的に感じられる彼を、どうしても欲しくて仕方がなくて、なりふり構わず夢中で口説いた。
 無論、異性とすら真っ当に付き合ったことのないカカシに、男の気を引く手管などある訳もなく、ただ、ひたすらイルカに接触を図り、胸のうちに沸き上がる思いを語っただけだ。
 自分でも涙ぐましくなるほど、愚直に。
「あなたが好きです」
「そ…そういう冗談は、ちょっと……」
「俺は本気ですよ」
「そんな……ありがとうございます。で?」
 カカシの告白に頬を赤らめながらも、イルカは容易には陥落しなかった。
 愛を囁けば、苦笑とともに流される。
 手を握れば素っ気なく振り払われる。
 肩を抱いたなら鳩尾に肘を入れられるし、背後から抱きついた日には裏拳が飛ぶ。
 後に聞いたところによると、素直で人好きするイルカは受付勤務でも評判がよく、中忍上忍を問わずに可愛がられ、同性に言い寄られることも少なくなかったという。
 勿論、極めて常識を重んずる上に、現役教師であるイルカが道に外れた誘いに応じる筈もなく、その筋では〈鉄壁の要塞〉だとか〈下手の小話〉などという二つ名で通っていたらしい。
 噂を裏付けるように、カカシを映すイルカの双眸はいつも、まとわりつく胡乱な上忍に対する警戒心と、元生徒の上司に対する好意の間で戸惑い、揺らいでいるように見えた。


「終わったら、呑みに行きませんか?」
 カカシは受付の机に肘をつき、すっかり挨拶代わりとなった誘いをかける。
「せっかくですが先約がありますので、また次の機会に」
 礼儀正しい返事は変わりばえせず、先約が残業であったり答案作成であったりするだけで。
「じゃあ次は俺の予約を入れて? いつでもいいから」
「カカシ先生……」
「そんなに困った顔しないで下さいよ。冗談です……ねぇ、先生、下手の小話って何?」
「それを俺に訊きますか。小話になっていない小話って意味でしょう」
「あー…なるほど」
 確かに、落ちないのは小話とはいえない。
 うまいことを云う、などとカカシが妙な感心をしていると、イルカは小さな溜め息をつき、疲れたような苦笑を見せた。
「別に……そういうつもりでも、ないんですけどね…」
「そんなこと。あなたが真面目に断ってることぐらい、分かってますよ」
 云って笑えば、何故だかイルカは驚いたような貌をして、そのまま俯いてしまった。
「明日は……明日の晩なら、暇です」
 ぽつりとイルカが呟いた、その時から、カカシのお花畑は満開状態が続いている。


〈続〉



2002/10/08〜2002/10/13
2002/12/08:改稿
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
言い訳っぽく
友人と合同でやっていたカカイルサイトで、たぶん最初に連載したもの。
自分で見直すと拙い部分が目について悶絶しそうになりますが、不思議とシリアスより評判が良かったりしたので、再展示しておきます。
イルカに向かって一直線に突っ走るカカシと、照れ屋で態度は悪いけどカカシらぶらぶなイルカという図式は、既にこの頃から書いていたようです。
gedoh 2006/03/24(Fri) 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Counter
Search this site
mero
Barcode
Ninja point
Ninja
Powered by ニンジャブログ  Designed by 穂高
Copyright © 玄天堂書庫 All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]