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カカシの愛の花咲くお花畑には、暴君が住んでいた。
優しく愛しいカカシだけの専制君主は、時に理不尽と思われるほど頑なで、無造作にカカシを虐げる。
「人前でベタベタするのは、禁止」
―――教師なんだからしょうがない、我慢します。
「……舌、入れんで下さい」
―――あのね、付き合って三カ月も経つのに舌しか入れてない俺を、むしろ褒めて下さい。
「腰から下は反則です」
―――何のルールですか、それは。
出会いから告白まで半年。二人きりで呑みに行くまでに二カ月ばかり、人目を忍んで手を握り、イルカの部屋に招かれ、淡い口づけを交わすまでに、それぞれ一カ月を要した。
今後もこの調子で進むとなれば、カカシが本懐を遂げる頃には、季節が一巡しているに違いない。
イルカが性的なことに関して奥手であると、理解していたつもりのカカシであったが、イルカとの付き合いを深めるたびに己の認識不足を思い知らされた。
奥手などという生易しいものではない。
そういう時のイルカの反応は、軽く生娘レベルを凌駕しており、カカシはそこに隠れ里の奇跡を見る思いがした。
惚れた欲目を差し引いても、イルカは十人並みの容貌であるし、それなりの戦歴を持つ中忍なのだ。長期任務中の代償行為に巻き込まれずに済んだとしても、それ以前に、アカデミーなり下忍時代になり、何かあってもおかしくはない。
否、確実に何かはあった筈だ。それでいて、その恥じらいと及び腰な態度はどういうことなのだ。トラウマを残すほど悪い犬に咬まれたか、勿体振っているのか、単に天然なのか。
いずれにしろカカシには納得し得ぬ、又、したくもない理由とモラルを鎧って、想い人はお花畑に君臨している。
抱き締めるには邪魔な甲冑。
イルカが硬い具足を脱ぎ捨て、自ら生身の肌を曝すのを待つ余裕など、カカシにはない。
かつては欲に追われ誰かと身を重ねても、カカシの心はどこか醒めていて、自分は情が希薄なのだと信じていた。
実際には、心と躰が繋がらないまま、それぞれの欲求を処理していただけの話で。
なまじ暗部としての自負があったばかりに、任務の重圧を軽減する方便が、私生活までも侵食していることを見逃していた。
だが、今では、接続不良であったカカシの欠損部分を、イルカが繋いでいる。
カカシの精神と肉体の欲求は一致しているのだ。
イルカ。
欲しいのはイルカ。そう感じさせてしまっているのもイルカだ。
その存在を完全に取り除かない限り、カカシの執着が薄れることはないだろう。そして、全き状態であるところのカカシは、イルカを失うなど考えられない心境に至っている。
ならば、取り得る手段は二つ。
お花畑に革命を起こすか、暴君の足元に跪いて情けを乞うか。
カカシは、当然のように頭を垂れている自分が、ちょっぴり嫌いになり始めていた。
〈続〉
2002/10/08〜2002/10/13
2002/12/08:改稿
優しく愛しいカカシだけの専制君主は、時に理不尽と思われるほど頑なで、無造作にカカシを虐げる。
「人前でベタベタするのは、禁止」
―――教師なんだからしょうがない、我慢します。
「……舌、入れんで下さい」
―――あのね、付き合って三カ月も経つのに舌しか入れてない俺を、むしろ褒めて下さい。
「腰から下は反則です」
―――何のルールですか、それは。
出会いから告白まで半年。二人きりで呑みに行くまでに二カ月ばかり、人目を忍んで手を握り、イルカの部屋に招かれ、淡い口づけを交わすまでに、それぞれ一カ月を要した。
今後もこの調子で進むとなれば、カカシが本懐を遂げる頃には、季節が一巡しているに違いない。
イルカが性的なことに関して奥手であると、理解していたつもりのカカシであったが、イルカとの付き合いを深めるたびに己の認識不足を思い知らされた。
奥手などという生易しいものではない。
そういう時のイルカの反応は、軽く生娘レベルを凌駕しており、カカシはそこに隠れ里の奇跡を見る思いがした。
惚れた欲目を差し引いても、イルカは十人並みの容貌であるし、それなりの戦歴を持つ中忍なのだ。長期任務中の代償行為に巻き込まれずに済んだとしても、それ以前に、アカデミーなり下忍時代になり、何かあってもおかしくはない。
否、確実に何かはあった筈だ。それでいて、その恥じらいと及び腰な態度はどういうことなのだ。トラウマを残すほど悪い犬に咬まれたか、勿体振っているのか、単に天然なのか。
いずれにしろカカシには納得し得ぬ、又、したくもない理由とモラルを鎧って、想い人はお花畑に君臨している。
抱き締めるには邪魔な甲冑。
イルカが硬い具足を脱ぎ捨て、自ら生身の肌を曝すのを待つ余裕など、カカシにはない。
かつては欲に追われ誰かと身を重ねても、カカシの心はどこか醒めていて、自分は情が希薄なのだと信じていた。
実際には、心と躰が繋がらないまま、それぞれの欲求を処理していただけの話で。
なまじ暗部としての自負があったばかりに、任務の重圧を軽減する方便が、私生活までも侵食していることを見逃していた。
だが、今では、接続不良であったカカシの欠損部分を、イルカが繋いでいる。
カカシの精神と肉体の欲求は一致しているのだ。
イルカ。
欲しいのはイルカ。そう感じさせてしまっているのもイルカだ。
その存在を完全に取り除かない限り、カカシの執着が薄れることはないだろう。そして、全き状態であるところのカカシは、イルカを失うなど考えられない心境に至っている。
ならば、取り得る手段は二つ。
お花畑に革命を起こすか、暴君の足元に跪いて情けを乞うか。
カカシは、当然のように頭を垂れている自分が、ちょっぴり嫌いになり始めていた。
〈続〉
2002/10/08〜2002/10/13
2002/12/08:改稿
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こんにちは!
こんにちは。
先日は大変失礼しました。
にも関わらず、その寛大なお心での返信コメント、ありがとうございました。
これからもこちらに伺いたく思いますので、どうぞよろしくお願いします!
今回のお話はこれまでとは違った雰囲気ですね。シリアスなお話も好きですが、このコメディ風なのも面白いです!
このお話、お花畑で脳内飽和状態のカカシが大変かわいいです。告白してからチューするまで約半年、というのは・・・・・・カ、カカシ先生えらいです・・・(涙!
またイルカのディフェンスがすばらしい・・・。その鉄壁さを日本代表も見習わなければ、と思わせるくらいすばらしい・・・!
イルカの過去に一体何があったのだろう・・・。私の乏しい脳内では悪い男に捨てられた図しか出て来ず、続きが待ち遠しいです。
そして、暴君というイルカへの形容が笑えました。お花畑で仁王立ちする姿が浮かんでしまって。でもカカシには仁王立ちしてても可愛く見えていそうだな・・・と思います(爆
今回も大したことを記さずに長々と、本当にすみません・・・。
それでは、体育座りをして続きをお待ちしております!!
追記;管理画面のツール表示についてのコメント、ありがとうございました!
どうにかこうにかしているうちに直ったようで、表示できました!
先日は大変失礼しました。
にも関わらず、その寛大なお心での返信コメント、ありがとうございました。
これからもこちらに伺いたく思いますので、どうぞよろしくお願いします!
今回のお話はこれまでとは違った雰囲気ですね。シリアスなお話も好きですが、このコメディ風なのも面白いです!
このお話、お花畑で脳内飽和状態のカカシが大変かわいいです。告白してからチューするまで約半年、というのは・・・・・・カ、カカシ先生えらいです・・・(涙!
またイルカのディフェンスがすばらしい・・・。その鉄壁さを日本代表も見習わなければ、と思わせるくらいすばらしい・・・!
イルカの過去に一体何があったのだろう・・・。私の乏しい脳内では悪い男に捨てられた図しか出て来ず、続きが待ち遠しいです。
そして、暴君というイルカへの形容が笑えました。お花畑で仁王立ちする姿が浮かんでしまって。でもカカシには仁王立ちしてても可愛く見えていそうだな・・・と思います(爆
今回も大したことを記さずに長々と、本当にすみません・・・。
それでは、体育座りをして続きをお待ちしております!!
追記;管理画面のツール表示についてのコメント、ありがとうございました!
どうにかこうにかしているうちに直ったようで、表示できました!
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