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二次創作小説・主にカカイル
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カカシ×イルカ(♂/♂)
Xmas企画で書いたお話。雑な二人の日常らぶらぶ。


+ + + + + + + + + +
隣でもぞもぞと動いているのはイルカ。
持ち上がった掛け布団の隙間から入ってくる冷えた空気に、幸せな夢と温もりを奪われて、それでも目覚めたくない俺は目を閉じたまま、唸り声で不満を訴えた。
太陽は昇ったばかり、そして寒いです。
まだ暖かい毛布を巻き込み奥へ潜りこむと、布団の上から掌でぽんぽんと叩かれ、とろとろに溶けそうになる。
そんなふうにあやされるのは、懐かしくて気持ちがいい。
「んー、もっと」
ねだれば素っ気なく手が止まる。
「甘えんな」
いい声だ。
寝起きでも、一晩中すごい声上げさせた後でも掠れやしない、丈夫な喉が羨ましい。丈夫なだけじゃなく意外にテクニカル。
イルカ先生って、物覚えはよくないけど覚えたことは応用が効くよな。何かあいつに似てる、いや、子供は思い出しちゃ駄目でしょ、ここから18禁だから。
まどろみに漂う甘い記憶の橋渡しで、うっすらとピンク色の霧がかかる夢の世界へと逃避しかけた途端、からりと軽快な音がした。
「寒ッ。アンタ何してんですか、もう」
布団の端をひっ掴み、開いた窓から流れこむ冷気を防ぐ。
「寒いはずですよ、雪だ」
何が嬉しいんだか、いい声はすこし弾んでいた。
こんなに寒いのに。
「雪ですよ」
わかりましたよ、でも寒いです。心の中でぼやいて未練たらしく布団にくるまっていたが、はみ出た頭の先に無言の圧力を感じた。
半分覚めた頭の端っこで、警告音が鳴り出す。まだ黄色。しかし、赤くなってからでは手遅れだ。
「雪ですか。珍しいですね」
仕方なく布団を背負って起き上がると、穏やかな笑顔が向けられて、それはちょっと悪くない。
イルカの背後から上半身を抱え、俺のの両腕と布団の内にくるみこむ。冷えきった肩に顎を乗せ、一緒に窓の外を眺めた。
ゆっくりと窓辺に落ちてくる純白のひとひら。
静まり返った家々の軒先が、電線までがうっすらと雪を乗せ、目に痛いような白い厚みに覆われていた。
明るい灰色の空を見上げれば、絶え間なく舞い落ちる無数の雪片の向こう、果てのない虚空へ吸い込まれそうな気がする。
「こうして見ると、見慣れた風景も綺麗なもんですね」
呟いたイルカは、頭に雪を乗せ見慣れた風貌に変わった三代目の岩を眺めている。
「ま、こうやって覆われちゃえばアラも見えないしね」
我ながら色気のない感想を返せば、不意にイルカが腕の中から擦り抜け、俺の正面に向き直った。
まじまじと見つめられている。
検分するような眼差しで。
「あの、ちょっと、アンタそれ」
問いただそうとすれば、なまあたたかい笑みとともに伸べられた掌が頬を撫でる。
「そうですね、カカシさん」
そりゃないでしょ。
なんで語尾が上がっているんですか。何その生ぬるい笑顔。
手酷い言われように思わず、布団に懐いた俺を置きざりにして、イルカはすたすたと寝室を出て行く。
あんまりだ。イルカめ。尻に歯型つけて偉そうに。
「でも、そういう俺が好きなんでしょ」
俺の負け惜しみじみた一言へ、わざとらしく癇性な足音が応える。
床板を踏み抜かれても面倒なので、そんな反応すら可愛いとは言わないでおいた。


〈了〉
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