忍者ブログ
二次創作小説・主にカカイル
[45] [43] [36] [29] [28] [5] [4] [3] [2] [1] [50]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Kakashi×Iruka(♂/♂)
やや大人向け。
対イタチ戦の後日談一幕、おそろしく短いです。


+ + + + + + + + + +
腕ごとすっぽりと、骨が軋むほどに抱き締められた。
暗闇の中、鼻先を掠める柔らかな毛先に、覚えのある匂いを嗅ぎ取り、イルカは全身に張り巡らせた緊張の糸をゆるめる。
肩口に顔を埋め、馴れた獣のようにぐいぐいと頭を押し付けてくる男の、見た目よりはるかに強靭な腕に、肘の関節を決められていては仕方なく、イルカは指先で男の大腿をつついた。
「苦しいです、カカシ先生」
「……だって」
かすかな呟きと同時に、並の人間なら肋骨にひびも入ろうという勢いで締め上げられ、息を詰めたイルカであったが、戒める両腕はすぐに解かれた。
「無茶しないで下さい」
とん、とカカシの胸板を小突いて身を引き、明かりを点ける。
帰宅するなり、暗がりから伸びてきた両腕に、抗う間もなく抱き竦められたのだ。
イルカは靴を脱ぎながら、上端に突っ立っているカカシを見上げた。
眩しい明かりに眇められた双眸も、不満げに尖る口元も隠されておらず、装備品も身につけていない姿に、眉をひそめる。
「まさか、まだ起きちゃまずいんじゃ、ないですよね?」
不安のまま問えば、カカシは溜め息をついて肩を竦めた。
「まだ? もう充分ですよ」
低く返された声の皮肉な響きが、自分に向けられたものではないと分かることで、イルカはやり切れないような思いをする。
普段は目にすることがない、カカシの荒々しい仕草や感情の揺らぎの内に、繕い切れない自責が透けて、それが痛いのだ。
痛くて、目を逸らしてやれないほどに。
「そうですね……少し、寝過ぎましたか」
イルカは苦笑を浮かべると、伸べた右手で肉の削げたカカシの頬に触れ、親指で傷痕をなぞった。
自分の生徒にならともかく、里一番の上忍にかける慰めの言葉を、イルカは持たない。里の名負いの責務は余りにも大きく、それを自覚しながら果たせなかった忍を癒す言葉など、何処にもありはしないと知っている。
「慰めて欲しいんですか」
無論、そんなことを望んで来たのではあるまいと。
わずかに目を見開いたカカシの口元から、ゆるやかに笑みが広がってゆく。
「違うでしょ。オレが、寂しいイルカ先生を慰めに来んですよ」
ぬけぬけと言うカカシに頬を撫でる手を取られ、腰を抱き寄せられて、イルカは耳元を赤く染めた。
交替、と囁きながら掌に口づけた馬鹿な男を、張り倒すのと抱き締めるのと、どちらを先にするべきか、迷ったのは目を閉じるまでの、一瞬のことだった。


〈終〉



2003/06/12
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Counter
Search this site
mero
Barcode
Ninja point
Ninja
Powered by ニンジャブログ  Designed by 穂高
Copyright © 玄天堂書庫 All Rights Reserved
忍者ブログ / [PR]