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二次創作小説・主にカカイル
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カカシ×イルカ(♂/♂)
暗部君と中忍教師の殺伐出会い編。
※全8回+『楽園の人』前後編でHappy end。


+ + + + + + + + + +
〜4〜

「失礼します」
 自分の寝室に入るのに、そう声をかける気まずさも薄れてきた。
 ベッドの中の男は、まるで傷ついた獣がそうするように、飲み食いもせず眠り続けた。その間イルカがしたことといえば、毎朝、供え物でもするように枕元の握り飯と水とを取り替えただけだった。
 三日目の昼下がり、握り飯がなくなっているのに気づいた。イルカが声をかけると、目覚めた男は嗄れた声で水を求め、それから。

 ベッドに運んだ夕食を男が食べ終えた頃を見計らい、食器を下げに行く。器の中身はなくなっていて、箸は綺麗なまま。匙を持てる程度には回復したらしいと知る。
「包帯を替えましょうか」
 イルカが救急箱を手に戻ると、男は自力で起き上がりベッドを降りようとしていた。
「あの、もう少し寝ていた方が」
「飽きた。風呂に入りたいし」
 男は足を引き擦るように歩き出したが、数歩でよろめき、イルカの胸に倒れ込んだ。
「まだ無理ですよ。おとなしく寝ていてください。でないと私の役目がつとまらない」
「何それ。ま、それは後で聞くから」
 支えた腕を振りほどこうとする男に、汗を流すだけという条件で、折れた。

 洗い場に座らせた男の躰を洗いながら、イルカは任務内容だけを話した。男は興味のない様子で、相槌のひとつも打たずに聞いていたが。
「そりゃご苦労様。で、任務って何?」
「知りません。指示通りに動けと云われただけですから」
 イルカが渋々と云えば、男は意地悪く言葉尻を拾い上げる。
「オレの?」
「暗部の誰か、です」
「オレも暗部だけど」
「そうですね」
 絡む男を相手にするまいと、イルカは石鹸で泡立てたタオルを黙々と動かし続けた。肩から腕、胸、腹。
 くっきりと浮かぶ腹筋を擦り、臍の下で一瞬、手を止めると男が笑った。
「なんでそこで困るわけ? 今時、アカデミーの女の子だって二、三本は握ってるでしょうよ」
「っ……触りたくないだけです」
 イルカがいささか手荒に男の大腿から足指まですっかり洗い上げ、石鹸の泡を流していると、不意に、肘まで捲り上げたアンダーの袖を引かれた。
「なんですか」
「勃っちゃったんで、抜いてくれない」
 とんでもないことを平然と云う。
 意味がすぐには飲み込めず、イルカは戌の面を見上げ、それから真下を見下ろして、眉間に皺を刻んだ。
「ねぇ、舐めて」
 ―――ふざけるな。
 嫌がらせにも限度があろうと、忿りに引き攣るイルカの頬を長い指が撫でた。水気にぬるりと滑る感触が気味悪く、繕いきれずに表情が歪む。
「アンタの口で、して」
 喉の奥で笑っている男は、だが、有無を云わせぬ口ぶりで、冗談事で済ませる気はないようだ。
「できません」
「男の相手、したことないの」
 答えず、床を睨むイルカの頬を伝い降りてきた指が、顎を引き上げる。
「同じもの持ってるんだから、どうすればいいかぐらい分かるでしょ」
 持ってなくてもできるしね。
 意味なく不愉快な言葉を、放っておけば幾らでも重ねそうな相手に腹立つイルカのどこからか諦めの気持ちが沸いてくるのは、既に男の云うなりに折れてしまったからだろうか。
 神経を逆なでする会話を、続ける気力が失せてゆく。
「それは、命令ですか」
「ん? そういうコトにしてもいいよ」
 それを譲歩というのなら、諦めるしかないだろう。

 どうしようもなく。
 ベッドに腰掛けた男の前に、イルカは跪いた。
 男の気が削がれるのに期待して、狭い風呂場では無理だと云い張った時間稼ぎも効果なく、むしろ、イルカのささやかな抵抗は男を面白がらせてしまったらしい。
 男の両足の間で、イルカが生まれたときから見慣れた、でもあまり似てはいない、そこにあるものに手を出しかねて睨みつけている。
「そんなに珍しい物でもないでしょ」
 あからさまな揶揄にイルカの頬が熱くなる。そんなものに恥じらうわけもない、強いられた行為が不愉快なのだと知っていながら、男は。
 思えば腹立たしく、更に頭へ血がのぼりイルカの顔は赤みを帯びた。そんな様を見せるのが悔しくて、男の股間に顔を寄せる。
 そう多くもない経験の記憶をなぞって、既に芯を持ったものを握り、唇を這わせる。どうされたら気持ちがいいのか知っていても、それを他人に施すとなると勝手が違う。
 ゆるゆると両手で揉みながら、根元から舐め上げ、張り出した部分を舌先で抉る。
 次第に硬さを増してゆく肉の、裏側に浮き出た筋に吸いつけば、男は息を詰めた。なにか意趣返しのような気持ちで繰り返しつつ、ぬめりを帯びた先端を絡ませた指で擦り上げる。
「へぇ……アンタはそこが好きなんだ?」
 顔面に朱を散らせるような意地の悪い言葉は聞かなかったことにして、イルカは目の前に屹立したものを咥えた。
 苦行ならとっとと終わらせてしまえばいいと、含んだ熱を唇と指とで追い立てる。喉の奥まで迎え入れ、噎せるのを堪えながら、硬く凝った熱を吐き出させた。
 呑み込んだものの苦さを悔やみながら。


[続]



2002/09/17〜2004/08/06
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